マイナビ農業、ノウフク・アワード2024グランプリ菜々屋とSTEP UPを紹介!
マイナビ農業で、ノウフク・アワード2024でグランプリに輝いた株式会社菜々屋(徳島県徳島市)と一般社団法人STEP UP(宮崎県宮崎市)が紹介されました。両者の取組から見る農福連携の成功の秘訣とは何なのでしょうか。
順天堂⼤学⼤学院 緩和医療学研究室は、NPO法人ユメソダテ、都城三股農福連携協議会と連携し、3月16日(木)に「農作業によるストレス軽減テスト」を実施しました。「農の医療的・福祉的活用」による新たな農福連携モデルづくりを目的としたテストです。
「農の福祉力」が謳われて久しいですが、実際に農作業はストレスを減らす効果があるのでしょうか。ユメソダテの活動と実証テストを取材しました。
目次
桜丘区民センター(東京都世田谷区)に集まったのは、ユメソダテが主催する「人を育てる畑コース」第1期生、16〜25歳の計6名。普段は障害者支援施設などに通っています。
「社会がユメを育て、ユメが人を育て、人が社会を照らす循環づくり」を目指すユメソダテは、2022年10月に知的・発達障がい者を対象とした同コースを開講。「夢育て農園」での農作業や、脳を活性化する体操「ブレインジム*」、フォイヤーシュタイン理論に基づく教材学習などを組み合わせ、認知・身体機能を高めています。*Brain Gym®(ブレインジム)は、教育キネシオロジー財団の登録商標です。
同日の進行は以下の通り、2時間半のプログラムです。受講生が進行・スケジュールをホワイトボードに書き込み、受講生が同日の流れを説明していました。筆者をはじめ、見学者が多数いる中で緊張している面持ちでしたが、立派に務めました。
唾液採取は、最初と座学後、そして畑作業を終えた最後の3回実施されました。
アグリヒーリングなどを研究する千葉吉史さん(株式会社美和リーフ・アグリコンサル 代表取締役/順天堂大学大学院 緩和医療学研究室 研究員)が、唾液を採取する方法を簡単に説明。テストが始まりました。分析結果は後述します。
唾液のいくつかの成分を計測することで、ストレスを数値化することができます。
測定には、唾液アミラーゼモニターなどを使用し、αアミラーゼや、コルチゾール、分泌型免疫グロブリンAについて調べます。
受講生は戸惑いながらも採取に協力していました。特筆すべきは、その簡便さ。唾液アミラーゼモニターでは専用シートを舌の下に入れるだけで分析できます。
個人差はあるものの、1回のコストは数百円ほどで対象者のストレス状態が大まかにわかります。千葉さんによると、最近では分析にかかるコストが低くなり、多様な場面でストレス状態を簡単に評価できるようになったと言います。
受講生は、農作業で必要となる手の器用さや平衡感覚などを高める数種類の体操をしました。体が曲がってしまう受講生に夢育てメンバーが数人がかりで手伝ったり、ある受講生が体操する人の体勢を厳しくチェックするなど、和やかな雰囲気でした。
次に、受講生はフォイヤーシュタイン理論に基づく教材に取り組みました。点を結びつけて図形を作る「点群の組織化」は、情報をバラバラにしか見ない学習者に世の中の物や出来事には「関連性」があることに気づかせる教材です。
教材に取り組んだ後、受講生が取り出したのは定期的に夢を書き込む『ゆめノート』です。書き込んだ夢をみんなの前で語り、ユメソダテ 理事長の前川哲弥さんがメモしていきます。「免許を取りたい」「岡山までひとり旅をする」「仮面ライダードライブみたいな警察官になりたい」など多様な夢が出てきました。受講生の本気の表情は、周りの人が必ず受け入れてくれるという信頼の現れでした。
区民センターから数分移動し、夢育て農園へ。世田谷区立桜丘農業広場をユメソダテなどが利用しています。菜の花が鮮やかに咲き、モンキチョウが飛び交う春風駘蕩たる日和でした。
座学で取り組んだフォイヤーシュタイン理論に基づく教材「点群の組織化」を応用し、農園でも点を棒で結んで正方形を作りました。「長さを測ることを習慣化してほしい。自己中心的に判断するのではなく、客観的な基準を使って判断することが大事」とユメソダテ 理事で、個別指導教室「よむかくはじく」を主催する外山純さん。「点群の組織化」が農園でも有効なことに気づき、開発したそうです。直角や東西南北といった抽象的な概念を身体的に学習でき、画期的だと感じました。
認知機能は人によって差があり、受講生が受講生を手伝う場面が多く見られました。体のバランスが崩れて土にまみれたり、正方形を作るのが難しかったりして嫌になっている受講生にも、周りの人が導きながら見守っていました。
タネまきも手際よくできる受講者とそうでない受講者がいました。順番に数えながらまいたり、「左手で(タネの入った器を)持つといいよ」と指示をされたりしながらやり遂げていました。
ユメソダテで栽培管理を担当する長谷川明さんが見守る中、受講生は水菜を収穫しました。1株がかなり大きいものもありましたが、慎重に引き抜いていました。腰を落とすこと、水菜の根元をつかんで引き抜くこと、根っこの土を落とすこと、収穫した水菜を手箕(てみ)に入れること…。収穫と一口に言っても複数の動作があり、複合的に動くことで運動を難しくしているようでした。
最後に、くわを振る練習をしました。体のバランスを崩しやすい受講生は「前より(くわを)使えるようになったね」と褒められていました。実際に、筆者の素人目でも明らかに真っ直ぐくわを振れていました。ユメソダテの授業は、週1回2時間ほどですが、半年間で大きな成長を遂げていることに驚きました。
ユメソダテ 理事長の前川さんが動画を撮り始めました。受講生が1日を振り返った感想を喋っていきます。「夢を語れてよかった」「水菜(を収穫するのが)大変だったけど、くわ振りが上手くできた」と全員が生き生きとしていました。中には「後輩にも教えられるようになりたい」という抱負も。前川さんのスマホには、受講者の成長が収められているのです。
ユメソダテ 理事で、帝人ソレイユ株式会社 農業事業部長でもある升岡圭治さんは「(1回の授業の前に)2回打合せをしている。メンバーで前回の反省をして毎回(授業案を)練っている」と裏側を明かしてくれました。「帝人ソレイユへのヘッドハンティングは考えているか」と水を向けると、「(通勤の問題はあるが)考えていなくはない」と答えました。
受講生は3回目の唾液採取を終え、解散しました。筆者の帰る途中、公園で談笑している数人の受講生の姿が。半年前にはなかったコミュニティが存在していました。
NPO法人ユメソダテは、随時「人を育てる畑コース」受講生を募集しています。
夢育て農園(東京都世田谷区)に、自力(または家族や支援者同伴)で通える10〜20代の知的障がい者で、通所者(就労移行支援事業所や就労継続支援B型事業所など)
それ以外で受講を希望する方は相談してください。応募者が現在通っている福祉事業所への説明には同行します。
マイナビ農業で、ノウフク・アワード2024でグランプリに輝いた株式会社菜々屋(徳島県徳島市)と一般社団法人STEP UP(宮崎県宮崎市)が紹介されました。両者の取組から見る農福連携の成功の秘訣とは何なのでしょうか。
株式会社菜々屋(徳島県徳島市)は、ノウフク・アワード2024でグランプリに輝きました。受賞を記念して、代表取締役 松原克浩さんと取締役 矢野正英さんにインタビュー。
株式会社菜々屋(徳島県徳島市)は、ノウフク・アワード2024でグランプリに輝きました。受賞を記念して、代表取締役 松原克浩さんと取締役 矢野正英さんに、菜々屋の成立ちや農福連携の取組についてお話を伺います。
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一般社団法人STEP UP(宮崎県宮崎市)は、ノウフク・アワード2024でグランプリに輝きました。受賞を記念して、代表理事 堀川佳恵さんに、農業を始めるきっかけや障がい者が働きやすい環境づくりについてお話を伺います。