大隅半島ノウフクコンソーシアムの発足から1年
みなさんこんにちは。ノウフク・ラボ運営チームの天野です。以前ノウフクマガジン8で紹介したように、私が担当するコラムでは、「ノウフク×〇〇」の〇〇の部分について、日頃の実践や探求や挑戦や迷いや違和感やモヤモヤをストレートにお伝えしながら、思ったこと感じたことをありのままにお届けしていきたいと思います。
今回は一見ノウフクと関わりのないように思える表題の件について、少しお話しようと思います。
早速ですが、「触法障がい者」という言葉を聞いたことがありますか?
普段関わりのない方にとっては中々なじみのない言葉かもしれませんね。簡単に言うと、罪を犯してしまった障がい者の事を言います。再犯した障がい者のことを「累犯障がい者」と言います。
罪を犯してしまっている、あるいは繰り返してしまっている障がい者には、当然ながら様々な背景があります。
幼い頃から虐待やネグレクトを受けていたり、ご両親とも障がい者でそもそも家庭に養育機能がなかったり、差別による地域社会からの拒絶があったり、刑事司法と福祉の狭間にあって福祉サービスへのアクセスができなかったりなど、必ずしも犯罪の原因の全てがその人自身によらない場合も一定数あります。
再犯してしまう要因の一部は先述した通りですが、法務省ではこれを「負の回転ドア」と呼んでいます。中には健常者に利用され犯罪に手を染めてしまった方もいます。そして、軽微な犯罪であることが多いのも事実です。このように、家族も福祉制度の支えもなく軽微な犯罪の累犯化している知的障がい者が多く存在しているのです。
うーん、社会が触法障がい者を生み出してしまっている、とも言えるこの状況。
もちろん全てではないでしょう。でも、やっぱりこれはとても悲しいことです。
ちなみに新規受刑者の3割は知的障害があると言われています。また、刑務所に再び入った人のうち、約7割が再犯時に無職であるなど、不安定な就労が再犯の大きな要因となっていることから、刑務所出所者等の就労の確保は極めて重要だといえます。
しかしながら、出所者らの多くは知的障害があるが故に就労経験に乏しかったり、能力的な制約があったり、就労にあたる困難が伴います。うーむ、どうすれば…。
そうです、そこでノウフクの出番です!
ノウフクには福祉の受容力、農業の持つ仕事の細分性、両方に存在する多様性という強みがあります。「農の福祉力」なんて言われたりもしますが、出所者の居場所をつくる上で一定程度はノウフクで貢献できる部分があると、多くのステークホルダーが気づき、動き始めています。
ある少年院の職員の方の言葉をお借りすると、「農業と矯正教育は相性が良い」のだそうです。現在全国77の少年院・刑務所において,農作業や農業関係の職業訓練を実施しています。そして、触法障がい者の方にとっても、農福連携の枠組みを活用して農作業を行うことはとても有用であると認識されつつあります。
しかし!花の木農場も含め、肝心の現場は一筋縄ではいきません。
出所者が順調に更生に向かうことができているのかと問われると、まだまだ課題は山積みです。そもそもこの課題を、ノウフクで全てを解決できるはずもありません。でも、実践と課題を共有したノウフクを実践している事業所が増え、横の連携が増え、トライとエラーの事例が増えれば、この課題に立ち向かうことはできるはずです!
1つのノウフク事業者ができることは決して大きくはないけれど、正解のないことだけれど、強みを持ち寄り多様なステークホルダーが連携をすることで誰かが救われる。
農福連携はそんな可能性をまだまだ秘めているような気がしてなりません。
みなさんこんにちは。ノウフク・ラボ運営チームの天野です。以前ノウフクマガジン8で紹介したように、私が担当するコラムでは、「ノウフク×〇〇」の〇〇の部分について、日頃の実践や探求や挑戦や迷いや違和感やモヤモヤをストレートにお伝えしながら、思ったこと感じたことをありのままにお届けしていきたいと思います。
ノウフク・アワード2020およびノウフク・アワード2021受賞者の取組事例をまとめた冊子(全52ページ)を作成しました。グランプリ受賞者へのインタビューなど以下の内容を盛り込んでいます。
農福連携におけるブランドづくりに先進的に取り組んでいる優良事例をまとめた事例集「BOOK」と、事業の目的、プランニング、課題把握と課題解決のヒントを得るための書き込み式冊子「NOTE」を掲載しております。
2021年度、農福連携等応援コンソーシアムでは、課題解決を目指すノウフク・ラボが新たにスタートしました。「異なるものとつながる力!」を合言葉に、ノウフク現場の方々やコンソーシアム会員企業、関係省の職員、学識経験者らが活発に議論を交わしました。
ノウフク・ラボ03 ショップでは、ノウフク商品の販路拡大を目指してまいりました。その成果の一つが「ノウフク営業ツール」です。この営業ツールは、全国のノウフク現場の皆様が、地域の飲食店や小売店、卸売業者などの企業をターゲットに営業活動ができるように制作されたものです。
HOW 農福連携 全国的に広がりを見せる農福連携ですが、実際に農家の方が障害のある方と働くために、また福祉事業所等が農業に取り組むために、「どのようなステップを踏んで実践していけば良いのかわからない」「障害のある方に農作業を指導することに不安を感じる」といった声も多く聞かれます。
2022年3月8日(火)に、ノウフク・アワード2021表彰式&シンポジウムが開催されました。新型コロナ感染症拡大の状況を鑑み、YouTube Liveを用いたハイブリット形式で開催されました。
ノウフク・ラボ03 ショップ 第3回ワークショップが、2月18日(金)にオンラインで開催されました。【ラボ03 ショップ】では、ノウフク商品の販促やブランディングの視点を磨くため、ノウフクならではの付加価値やストーリーの伝え方を探究しています。
ノウフク・ラボ02 ウェアラブル 第3回ワークショップが、2月16日(水)にオンライン開催されました。【ラボ02 ウェアラブル】では、バイタルセンサーを使った熱中症予知検知や感情解析のモニタリング調査をノウフク現場で行いながら、IT(ウエアラブル端末)の活用の可能性を探究を目指しています。
ノウフク・ラボ01 トイレ 第3回ワークショップが、2022年2月22日(火)にオンラインで開催されました。【ラボ01 トイレ】では、ノウフクの現場で多く聞かれるトイレの課題を持ち寄り、リサーチを行いながら、課題解決への新たな視点を探究しています。