大隅半島ノウフクコンソーシアムの発足から1年
みなさんこんにちは。ノウフク・ラボ運営チームの天野です。以前ノウフクマガジン8で紹介したように、私が担当するコラムでは、「ノウフク×〇〇」の〇〇の部分について、日頃の実践や探求や挑戦や迷いや違和感やモヤモヤをストレートにお伝えしながら、思ったこと感じたことをありのままにお届けしていきたいと思います。
みなさんこんにちは。ノウフク・ラボ運営チームの天野です。
以前ノウフクマガジン8で紹介したように、私が担当するコラムでは、「ノウフク×〇〇」の〇〇の部分について、日頃の実践や探求や挑戦や迷いや違和感やモヤモヤをストレートにお伝えしながら、思ったこと感じたことをありのままにお届けしていきたいと思います。第3弾は「ノウフク×地域コンソーシアム」。
目次
さてさて今回は、私も関わっている、鹿児島県の大隅半島で立ち上がった農福連携プラットフォーム「大隅半島ノウフクコンソーシアム」について、お話ししたいと思います。皆さんに地域コンソーシアムのことを少しでも知って頂き、アドバイスを頂くことができれば嬉しいです。
大隅半島は鹿児島県の東側に位置する半島で、行政区域としては4市5町が属しています。ご存じのとおり、鹿児島県は北海道に次ぐ農業産出額を誇る農業県。そして大隅半島はというと、県農業産出額の約4割を占め、平成29年には2,000億円を突破しました。そんな農業半島なので当然担い手不足や高齢化、耕作放棄地の問題も出てくるわけです。なので、農福連携のニーズは間違いなくあります。令和元年度からは鹿屋市と県が地域の農福連携を支援する取組を実施しており、行政と取組主体との関係は構築されつつありました。大隅半島内で農福連携に取組事業所数は20件以上確認できており、白鳩会のような先駆事例も多いのですが点的な取組が多く、ノウフク事業所間の連携などはあまり聞こえてきませんでした。
そこで立ち上がったのが「大隅半島ノウフクコンソーシアム」(以下「ONC」)です。2021年5月、社会福祉法人白鳩会を事務局とし、設立されました。
コンソーシアムは、農業サイドの労働力不足、福祉サイドの販売力強化や障がい者の低工賃という課題を解消しつつ、農業のもつ多様な人材を生かす福祉力が発揮できるよう、大隅地域で農福連携を実践している団体を結びつける大隅地域のプラットフォームとなる。また、農福連携を知らない、施設外就労を新たに取り組みたいという事業者に農福連携を知るきっかけづくりやサポートの場を提供し、新たな仲間づくり、大隅地域全体の農業振興を目的とする。
その目的に賛同した農業法人6社、福祉事業所9社、1団体,6地方公共団体、2名のアドバイザーが集い、十分すぎるほどの体制でスタートを切ることできました。多様なプレイヤーがそれぞれの課題観や使命感を、まさにパートナーシップを組むことによって解決に導いていこうと立ち上げた任意団体なのです。
わりと大変だったこと。それはずばり、自治体を巻き込むことでした。課題観を共有している民間企業は比較的すんなり巻き込まれて下さったのですが、自治体を巻き込むことには苦労を要しました。上手く連携がとれている自治体がある一方、関係性を構築できていない自治体もあります。苦労話をここで詳しく書くことはしませんが、ノウフクの活動を進める上で自治体は地域の重要なピースであり欠かせない存在です。自治体のルールを尊重しつつ、粘り強く連携強化の働きかけをしていく必要があります。もしこの記事を見て下さっている自治体関係者の方がいらっしゃれば、ぜひ一度ノウフクの現場に足をお運びください。多様なプレイヤーが関わるノウフクの取組にご理解とご協力をいただけますと嬉しいです。
とはいえONCの仲間集めはおおむね順調に進んだと言って良いかと思います。ノウフクアワード2020グランプリ獲得という会長の所属する白鳩会の知名度と情熱、地域農業の事情をよく知る県振興局の職員による強力なサポートがなければ、ここまでの数が集まることはなかったことは想像に難くありません。福祉サイドや農業サイド、個人や団体、そして行政が共にお互いの持つ力を持ち寄り、補完し合いながら活動を進めることができていることは(上手く巻き込めていない主体があるなどの課題も認識しつつ)、ONCの誇りともいうべき特徴かと思います。
運営費は、ポストコロナの助成事業を活用しました。コロナ禍ということもあり事業活動が制限されることもありましたが、「全国の事例を知る基礎講座」や「大隅半島における農福連携の課題洗い出しワークショップ」から始まり、「マーケティング」や「流通」などをテーマにおいた各種セミナー、ノウフクJASやGAPの研修会、事業所間視察や先進地事例調査、新規取組支援や標準工賃策定など、役員事業所や事務局を中心に様々なことを事業として進めてきました。特に先進地視察では、京丸園、鈴生、埼玉福興、ゆずりは会、パーソルサンクスとみおか繭工房と、ノウフク業界ではあまりにも有名な事業所に伺うことができました。今年度(2022年度)は新免さんのいるさんさん山城へ乗り込みます!
今年度(2022年度)は動きを更に加速しながら、ONC共同農場の運営やノウフクJASの取得支援など挑戦的な事業にも取り組み、連携を強化・深化・拡張していきたいと思っています。2022年5月に行われた総会では、農福連携等応援コンソーシアムの皆川会長にご出席いただき、さらにはご講演くださり、2年目も良いスタートを切ることができました。次回の記事ではONCの面白い取組の一部を少しはご紹介できるかなーと思っています。
この1年ちょっとの間でさえ、この地でノウフクを推進していく上で直面するモヤモヤな現実にへこむことが多くありました。そしてモヤモヤはこれからも続いていくんだろうと思います。地域を見渡せば、課題は農業と福祉以外にもたくさんあります。その意味において、将来的には「誰一人取り残さない大隅半島の課題解決プラットフォーム」の一翼を担えるよう、多くの試行錯誤を繰り返し、持続性ある活動を目指し、ONCの活動を進めていきたいと思っています。この大隅半島の地から私たちなりのONCの活動を今後も発信していきますので、全国のノウフク仲間の皆さんには、引き続き温かく見守っていただくとともに、ご指導いただければ幸いです。
みなさんこんにちは。ノウフク・ラボ運営チームの天野です。以前ノウフクマガジン8で紹介したように、私が担当するコラムでは、「ノウフク×〇〇」の〇〇の部分について、日頃の実践や探求や挑戦や迷いや違和感やモヤモヤをストレートにお伝えしながら、思ったこと感じたことをありのままにお届けしていきたいと思います。
ノウフク・アワード2020およびノウフク・アワード2021受賞者の取組事例をまとめた冊子(全52ページ)を作成しました。グランプリ受賞者へのインタビューなど以下の内容を盛り込んでいます。
農福連携におけるブランドづくりに先進的に取り組んでいる優良事例をまとめた事例集「BOOK」と、事業の目的、プランニング、課題把握と課題解決のヒントを得るための書き込み式冊子「NOTE」を掲載しております。
2021年度、農福連携等応援コンソーシアムでは、課題解決を目指すノウフク・ラボが新たにスタートしました。「異なるものとつながる力!」を合言葉に、ノウフク現場の方々やコンソーシアム会員企業、関係省の職員、学識経験者らが活発に議論を交わしました。
ノウフク・ラボ03 ショップでは、ノウフク商品の販路拡大を目指してまいりました。その成果の一つが「ノウフク営業ツール」です。この営業ツールは、全国のノウフク現場の皆様が、地域の飲食店や小売店、卸売業者などの企業をターゲットに営業活動ができるように制作されたものです。
HOW 農福連携 HOW 露地栽培編 HOW 施設栽培編 HOW 果樹栽培編 農福連携推進ノウハウ集 農福連携推進 ノウハウ集 「できる仕事の見つけ方・伸ばし方」
2022年3月8日(火)に、ノウフク・アワード2021表彰式&シンポジウムが開催されました。新型コロナ感染症拡大の状況を鑑み、YouTube Liveを用いたハイブリット形式で開催されました。
ノウフク・ラボ03 ショップ 第3回ワークショップが、2月18日(金)にオンラインで開催されました。【ラボ03 ショップ】では、ノウフク商品の販促やブランディングの視点を磨くため、ノウフクならではの付加価値やストーリーの伝え方を探究しています。
ノウフク・ラボ02 ウェアラブル 第3回ワークショップが、2月16日(水)にオンライン開催されました。【ラボ02 ウェアラブル】では、バイタルセンサーを使った熱中症予知検知や感情解析のモニタリング調査をノウフク現場で行いながら、IT(ウエアラブル端末)の活用の可能性を探究を目指しています。
ノウフク・ラボ01 トイレ 第3回ワークショップが、2022年2月22日(火)にオンラインで開催されました。【ラボ01 トイレ】では、ノウフクの現場で多く聞かれるトイレの課題を持ち寄り、リサーチを行いながら、課題解決への新たな視点を探究しています。