ノウフクマガジン#46

ノウフクが新しい商品価値を生む!【販路拡大 ラボ2022】第1回ワークセッション
ラボレポート
2022年11月1日

ノウフクが新しい商品価値を生む!【販路拡大 ラボ2022】第1回ワークセッション

2022年度ノウフク・ラボ02 販路拡大 第1回ワークセッションが、9月22日(木)にオンライン開催されました。

ノウフク・ラボは、「異なるものとつながる力!」を合言葉に、社会課題の解決や新たな価値創造を図りながら「地域に暮らすすべての人が豊かで幸せに生きられる」共生社会の実現を目指しています。

2021年度は新型コロナウィルスの影響で社会全体の動きが停滞していましたが、この販路拡大チームは研究員のみなさんと一緒に、リアルとオンラインの場で活動を続け、無事に2年目を迎えることができました。2022年度は、ラボ全体目標である「ノウフク・ラボの木に果実を実らせる」を実現するため、より活発に動いていきます。

第1回ワークセッションは、ノウフク現場の方々、大学教授、行政、一般企業など、様々な分野から14名の研究員のみなさんに参加いただきました。また、ノウフク生産者と連携しながら実際に商品を開発した企業にプレゼンいただきながら、研究員のみなさんと様々なディスカッションを交わすことができました。世の中にノウフク商品を広めることの意義を強く感じられる場となりましたので、ご報告いたします。

ノウフク商品にバイヤーの関心が高まっている!

ワークセッションの冒頭では、販路拡大チームのこれまでの取り組みについて振り返りを行いました。2021年度はノウフク商品を一般消費者に買ってもらうため、新宿マルイの協力を得て2週間限定の「ノウフク・ラボ ショップ」を開催し、店頭販売という貴重な経験をしました。

また、ノウフクJASを通じた販路拡大、ファン獲得のための取組みやEC販売の検討、ノウフクに関わる全ての人が使える営業ツールの開発など、ノウフク商品を売るための研究をしました。

今年度もそういった消費者向け販売の研究を継続する予定ですが、さらなる販路拡大に向けて、一般消費者だけではなく、バイヤーの方々へのアプローチも試みる予定です。

その第一歩として、今回のワークセッションの前に、販路拡大チームではノウフクの事業者の方々とバイヤー企業をマッチングする場として「ノウフク座談会」を開催しました。大変ありがたいことに、18事業者に対して31社のバイヤー企業のご参加が叶いました。

会員専用ページでは、第1回ノウフク座談会のアーカイブ動画を公開中です。

販路拡大チームキャプテンであり、一般社団法人日本基金 事務局長の太田みどりさんは、ノウフク商品を流通に乗せるにあたり、生産量の課題をどうしたらいいのか気にしていたのですが、座談会に参加いただいたバイヤーのみなさんは、そういった課題も含め、ノウフク商品に非常に強い関心を寄せていることを実感できたそうです。

今年度の販路拡大チームは、こういったマッチングの場を積極的に設け、ノウフクの多様性を活かしたプラットフォームづくりを目指していく予定です。

販路拡大チーム第1回ワークセッションのグラフィックレコーディング(画像をクリックすると拡大表示されます)

ノウフク連携で商品価値を上げた2つの事例

今回のワークセッションでは、実際にノウフクとコラボしながら事業展開している企業2社をお招きしました。商品の開発から販売までの過程を説明いただきながら、ノウフクと連携することで商品に新たな価値が生まれることが伝わってきた発表でした。

食感を求める中で出会ったノウフク:八天堂ファーム

最初に発表いただいたのは、株式会社八天堂ファームです。主力商品の「くりーむパン」は、味だけでなく、口にした時の食感が特徴的な菓子パンで、数多くのメディアにも取り上げられていることから、ご存知の方も多いでしょう。

発表の冒頭では、この「くりーむパン」がどのように開発されたのか、代表の林さんに創業時のエピソードを交えてお話いただきました。

「くりーむパン」の他にも、ジャムの開発に取り組まれていますが、八天堂ファームがこだわりを持つ「食感」を実現しようと、日本全国の果物農家を探しながら商品開発をすすめたそうです。

その結果、次のような商品が生まれたのですが、このジャムの原料にあたる果物を求める中で、ノウフクとの出会いがあったそう。

広島県竹原市で放棄地となったぶどう園との出会いがあり、社会福祉法人宗越福祉会と連携して「八天堂ぶどう園」として2021年再スタート。生活困窮者も従事する農福連携でぶどうを収穫、加工をしています。

左から「くりーむパンマスカット」「くりーむパン赤ぶどう」「赤ぶどう大福」

新たに開発したジャムは、非加熱で作るという特殊な加工が施されており、果物本来の酵素が生きていて、とてもみずみずしい食感に仕上がりました。

一方で、鮮度をウリにしたこのジャムには、保存がきかないという大きな課題がありました。冷凍して配送することができないため、作ったらすぐに販売する必要があったのです。

そこで考えたのが、果物の生産地でパンを販売することでした。ノウフク生産者のいる地域で加工・販売できる業者と組み、ご当地パンシリーズという形で八天堂ファームブランドとコラボすれば良いという新しいアイデアが浮かんだそうです。

新鮮な食感を持つジャムを作るにあたり、ノウフクと連携したことでこれまでになかったマーケットを生み出したと言えます。これからこの商品がどのように展開していくのか、大いに期待したいです。

ノウフクと野菜スープで社会課題を解決:アクアヴェール

株式会社アクアヴェールは、現代人のライフスタイルの変化に合わせた食品を開発し、脇役に考えられがちのスープを食卓の主役にするという、興味深い取り組みをされています。

この野菜スープは、スープそのものとしても美味しいそうですが、次のように料理のベースとしての活用もでき、とても応用範囲が広い商品だそうです。

この商品を開発するにあたり、次の図のようにノウフクとの連携を最初から組み込む形で企画を考えたそうです。

「商品の基本コンセプト」を見ると、ノウフク商品の生産体制に精通されているのがとても伝わってきます。特に「規格外野菜の使用>フードロスへの意識」と「地産地消で大量生産ではなく小ロットで対応」については、ノウフク生産者にとって非常にありがたいコンセプトと言えるでしょう。

さらに、ノウフク生産者が大量生産するには課題もあり、仮に大手企業から声掛けいただいても、需要に対して安定的に供給できないという課題があります。

ノウフクの現場にはそういった事情がありますが、アクアヴェールの野菜スープは、加工による規格外品の取り扱いと地産地消による小ロット対応というコンセプトの元、ノウフク生産者に負荷をかけない形で連携する最適な生産体制で開発されています。ノウフクと連携することで、社会課題の解決につながる素晴らしい商品と言えるでしょう。

なおこの商品は、2022年大丸松坂屋のお歳暮ギフトにも採用されたそうです。農福連携で作られるこの野菜スープが、多くの人に食べていただけることを期待したいですね。

八天堂ファームとアクアヴェールのプレゼンテーションの様子(画像をクリックすると拡大表示されます)

ノウフク=新しい価値の創出

2社の事例の中で印象的だったのは、ノウフクと連携することで、商品に新しい価値が確実に生まれているということです。

例えば八天堂ファームは、6次化コンテンツへの取組みとして規格外の果物を活用した「スイーツバーガー」を開発しました。

バーガースタイルというスタンダードに、スイーツというスタンダードを掛け合わせた画期的なコンセプトですが、実際に作ってみて様々な課題があることもわかりました。中には「生産効率向上は困難」という課題もあり、普通だと開発中止という判断がくだされても仕方ない状況です。

しかし、八天堂ファームはそこであきらめず、発想を転換し、短期間に地元で売る方法として「地方創生イベント」という切り口で「スイーツバーガー」の販売を思いついたのです。

この時はインスタグラマーとのコラボ企画だったそうですが、地域のノウフクプレイヤーとの連携したことで、地元の人たちが気付くことのできないような新しい価値を見出し、商品化に成功した事例と言えるでしょう。

さらにこの様な農福連携の動きは、単に販売側だけ留まるものではありません。八天堂ファームが「スイーツバーガー」に込めたような価値・ストーリーに共感し、購入した消費者の方も、ノウフク商品の購買行動を通じて、間接的にお互い支え合う仕組みづくりに貢献しているのです。

企業がノウフクと連携することで、自社の商品の価値向上につながり、消費者の購買によって商品の背景にある社会的価値が世の中全体に広がっていく、そういった流れがノウフク連携で生まれることをあらためて認識できたワークセッションでした。

今年度はマッチング支援、そして海外も目指す

今回のワークセッションでは、ノウフクと連携した具体的事例を見ながら、参加いただいた研究員のみなさんに様々なアイデアを提供いただき、あらためてノウフク商品に大きな可能性を感じることができました。

今後、販路拡大チームはノウフク生産者と流通業者等とのマッチング支援を積極的に行っていきたいと考えています。2022年8月に「ノウフク座談会」を実施し、11月には2回目の開催を予定しています。

さらに、ノウフク商品を海外にも展開できないかと考えており、今年度は輸出のプロをお招きし、海外へ販売するためのノウハウを学ぶ予定です。

こういった取組みについては、2022年12月に開催する中間発表会で報告する予定ですので、楽しみにお待ちいただければと思います。

会員専用ページでは動画を配信中!

農福連携等応援コンソーシアム会員の皆様には、今回のワークセッションの様子を動画でご視聴いただけます。2022年度のパスワードは、2022年8月19日にコンソーシアム事務局からお送りしたメールをご確認ください。

投稿者: ノウフクWEB編集部

ノウフクの情報を幅広く発信いたします。

ノウフク・マガジン

ノウフク最前線の読みもの&ニュース
View all